「秋茄子は嫁に食わすな」。このことわざは、聞くとドキッとしますよね。
これは「嫁いびり?」って思ってしまいます。
「秋茄子は嫁に食わすな」の本当の意味は「思いやり」とも取れるようなんです。
これは「嫁いびり」なのかそれとも「思いやり」なのか…?気になるポイントをはっきりさせてみました。
秋茄子は嫁に食わすなの本当の意味は3種類、一般的には
なんと、「秋茄子は嫁に食わすな」の意味は3種類あると言われています。
その3種類について、それぞれ調べました。
「嫁いびり」説
その一つめは、文面の第一印象通りの「嫁いびり」の意味です。
昔は家父長制で、女性の地位は低くされていました。
そんな中、姑と嫁の関係は「主従関係」と言ってもいいくらいのものです。
現在はだいぶ減ったそうですが、お嫁さんを憎むお姑さんは、昔はかなりいたようです。
その心理はさておき、「秋茄子はあまりにもおいしいものだから、嫁なんかに食べさせないわ!」という、そのまんま、ストレートな「いじわる」、「嫁いびり」の意味が、ひとつめです。
「体の為」説
そして、二つ目は「体が冷えるから食べさせない」という意味です。
これも結構有名です。
古来、茄子は「体が冷える野菜」と言われています。「子宮を傷める」とまでいう書物もあったそうです。
茄子は夏野菜の一つとされ、キュウリやトマトなどもそうですが、暑い夏にできる野菜は、体を冷やしてくれる、ということが言われています。
これを、季節の変わり目の秋口に嫁に食べさせると、子孫を残してもらわないといけないのに、お腹に何か差しさわりがあってはいけない、という心配から、「嫁に食わすな」となった、というのです。
医療技術が現在とはくらべものにならないほど乏しい時代です。
妊婦さんやこれから妊娠が期待されるお嫁さんに、何かあっては、という、心配からのことわざになっている、という説です。
まあ、「思いやり」と言えば思いやりですが、それはあくまでも「子孫繁栄」「お家繁栄」のためなんですよね…。
「動物」説
3つ目の意味ですが、この「嫁」が「ネズミ」である、という説です。
昔は冷蔵庫もないですし、家屋もネズミや虫も自由に行き来できるくらい、密閉性のすくない建造物でした。
戸棚や何かしらの棚に茄子を置いておいて、こんなにおいしい貴重な秋茄子を、ねずみに食われてなるものか、それくらい秋茄子はおいしいんだ、という意味と解釈するのです。
しかし、本当なんでしょうか。なんだか無理がありそうですね。
結局、現代では、言葉通りの「いびり」か、女性の身体への「おもいやり」か、の両方の意味でとらえられており、決着はついていないようです。
「秋ナスは嫁に食わすな」に意味はない、上手なかわし方
現代は、昔で言う「嫁」というものは存在しません。
昔の「嫁」はこの文字からもわかるように、「家のもの」でした。
なので、嫁の立場の女性は、家長である義父、姑、夫、息子がいれば息子、よりも低い立場でした。
なので、おいしい秋茄子も食べさせない!というようなことわざがまかり通ってしまったんですね。
あと、昔の人もこれを本気でそう思っていたわけではないはずです。
ことわざには「ユーモア」「冗談」の一面もあるからです。
ものの例えで、あまりにも秋茄子がおいしいから、「嫁に食べさせたくないくらいだ!(笑)」くらいの、男同士の冗談、みたいな意味もあったのではなかったかと非常に感じます。
現代は、夫婦お互いの実家と、自分たち夫婦は「全く別の家庭」となっており、妻である女性はどこの家にも「属するもの」ではありません。
秋茄子を見てすぐに「秋茄子は嫁にくわすな」なんてことわざが、会話に出てきてしまっても、女性は何にも関係ないわけです。
「昔はそういったらしいですね~(笑)」と言って、堂々とおいしい秋茄子を、当然のように堪能しましょう。
さいごに
今回は、「秋茄子は嫁に食わすな」の本当の意味について探ってみました。
3つの解釈があり、それをご紹介しました。
女性の地位は低かったので、さぞかし嫁びりも存在する所には存在していたのでしょうね。
また、恐妻家である男性が、自分の嫁に内緒でおいしいものを食べたい、くらいのニュアンスもあったのかな、と思います。
ことわざは所詮「ことわざ」です。
秋茄子を食べたくらいで、女性は具合悪くなったりしませんので、堂々とおいしく食べましょうね!