「夏茄子」と「秋茄子」と言う言葉があります。
このふたつの言葉、時期が違いますが、どういう違いがあるの?と不思議に思いませんか。
「夏茄子」と「秋茄子」の違い、実は、「暦」が関係してくるのです。
「夏茄子」と「秋茄子」の違いを知り、茄子の旬を知って、おいしく食べましょう!
夏茄子と秋茄子の違いは、暦との関係
「秋茄子は嫁に食わすな」という、古くから伝わる有名なことわざがあります。
この、「古くから」、というところがミソです。
江戸時代までの、昔の人が使っていたカレンダーは「旧暦」だからです。
そうすると、このことわざの「秋茄子」が、現代では、いつのことなのか、を確認する必要があります。
この「秋茄子」は、旧暦の秋なので、現在で言うところの、8月から9月ころに収穫される茄子のことになります。
なので、8月ならまだ「夏」ですし、9月ならば「秋」とも言えます。残暑厳しい時期のことになりますから、これは「夏」というくくりにしていいと思います。
よって、8月から9月の茄子、旧暦の「秋茄子」は現在の「夏茄子」と考えていいでしょう。
しかし、いっぽうで、現代の料理の世界では、「秋茄子」という言葉もしっかりあります。
この場合の「秋茄子」は、9月下旬から10月に収穫される茄子のことを言います。
秋が始まり、寒暖差の大きくなった時期に収穫される、この時期の茄子は、やわらかくてみずみずしい茄子に成長します。
そのため、この時期に採れるおいしい「茄子」を「秋茄子」として、現在でも料亭などでは重宝しているそうです。
夏でも秋でも、お蕎麦屋さんや天ぷらを出す店では必ず使う野菜になります。
「秋茄子は嫁に食わすな」の本当の意味 うるうる来てしまう理由とは?
夏茄子と秋茄子、美味しいのは?
夏茄子と秋茄子、どちらがおいしいのでしょうか?
これは「どちらもおいしい」と言えます。
「嫁に食わすな」とまで言われた昔の「秋茄子」は、現在の「夏茄子」です。
炒め物や漬物、天ぷらなどにしても、実はやわらかく、味もいい、おいしい茄子です。
いっぽう、現代の暦の9月から10月いっぱいに収穫される「秋茄子」も、上に述べたように、非常においしいとされています。
麻婆茄子なら、肉や脂を良く吸ってうまみが増し、無限に食べられるような気がするくらいおいしいですよね。
お漬物にもいいです。
ぬか漬けならば、中の身がみずみずしいので、ぬかで発酵した茄子の水分の旨みが、とてもおいしく、茄子のぬか漬けが好きな人には楽しみな時期になります。
価格は、8月から10月は価格が安定して、年間のなかでも安いほうになります。
以上、比べてみましたが、8月から9月の「夏茄子」、9月から10月の「秋茄子」どちらも、味についても、価格についても甲乙つけがたいですね。
ということは、「嫁」だの何だの気にしなくていい現代人は、8月から10月いっぱいまでは、存分に茄子が楽しめるわけです!
さいごに
今回は、巷でよく聞くことば、「夏茄子」と「秋茄子」の違いについてお伝えしました。
古来からのことわざでよく聞く「秋茄子」は旧暦で言う8月から9月ということがわかりました。
なので、現代では「夏茄子」ということになり、9月から10月の「秋茄子」とはまた違うものになります。
夏茄子は天ぷらや炒め物、焼きナス、ぬか漬けなど、夏においしいメニューにぴったりの、扱いやすくて、火の通りやすい茄子です。
そして、9月から10月にとれる秋茄子は、水分が多く、これも天ぷらやぬか漬け、中華料理、イタリアンなどに大活躍し、おいしい野菜となっています。
ハウス栽培で1年じゅう買うことのできる野菜ではありますが、やはり「夏茄子」「秋茄子」の時期が、安くてとてもおいしい時期です。
この時期においしく、たくさん食べましょう!